青山学院大学文学部 比較芸術学科

青山学院大学文学部 比較芸術学科

インタビュー

学生3人にインタビュー

[参加メンバー]
司会 : 出光佐千子(本学科准教授、日本美術研究)
【美  術】東洋美術専攻(津田ゼミ) 3年 吉本伊吹
【演劇映像】古典芸能専攻(佐藤ゼミ) 3年 高山愛咲子
【音  楽】西洋音楽専攻(那須ゼミ) 3年 南直冴


出光
比較芸術学科准教授の出光佐千子です。今日は、本学在学中の皆様に学科の魅力について語っていただきたいと思います。皆様よろしくお願いいたします。
学生一同
お願いします。
出光
では最初に、この学科に入ったきっかけについて教えてください。
吉本
大学に入るにあたって、どんなことに自分は興味あるだろうと考え、あれもある、これもある、と迷いました。それで最終的には、昔からすごく好きだった仏像のことや音楽のことも含めていろいろと包括的に勉強できる比較芸術学科を選びました。
出光
美術も音楽も、そして演劇映像も学べる環境が理由ということですね。
高山
私は小さいころから歌舞伎や日本舞踊に興味がありました。歌舞伎や日本の伝統芸能を学ぶには青山学院大学の比較芸術学科がいいなぁって考えて。大学では好きなことを学びたいという高校生からの思いもあって、比較芸術学科を選びました。
僕は、その、大そうな理由は特になくて。この学科の一般受験は、小論文に特色があり、ちょっと特殊な入試形式だったので、試しに受けてみたらたまたまご縁をいただけました(笑)。非常に幸運なことで、今は楽しく授業を受けています。
出光
では実際に入ってみて、この学科のイメージはいかがですか。

吉本
イメージ通りって言ったらなんですけど、いろんなことをすごく幅広く学ぶことができています。今まで知らなかった、自分がそれまであまり興味がなかったようなことでも学んでいけたのは、すごく良いことだったと思いますね。
高山
私は入学以前、歌舞伎や日本舞踊を、好きという感情だけで終わらせていたんですけど、比較芸術学科に入って、研究や、学びの視点から歌舞伎を観るようになりました。
出光
単に観て楽しむだけではなく、文献を読んだり、色んな人の意見に耳を傾けながら深く勉強できるというところですね。
高山
はい、毎日充実しています。
僕はこの学科には、いい意味で普通の人が沢山いるなと思っていて。というのは、芸術学科って言うと、ベートーヴェンみたいな長い髪をゴシャゴシャしながら産みの苦しみを訴えている、というかんじの人が沢山いるのでは……みたいな不安があったんです。けど、入ってみたら、まぁ僕みたいに、自分の興味を純粋に追求していきたいという人がたくさんいたので、そこは安心しました。コミュニティも作れて、楽しく授業を受けることができてるかなって感じがします。
出光
この学科に入って、自分が変わったなと思うところありますか。
吉本
さっきの話とも繋がるんですけれど、作品を見る時に、何も知らない状態で見て、それで感動するっていうのもあるとは思うんですけれど、学科に入ってからは、色々と知識を得た上で観るようになり、そのことで、作品についての感想も、そこで抱く感情の幅も、広がってきたと思います。
高山
私は、入学したきっかけが歌舞伎でしたが、1年次に受ける「比較芸術学入門」の授業で、幅広い西洋の文化や演劇に触れることができました。学科の授業で、自分の価値観とか視野が広がったなと思うことがすごく沢山あります。
出光
日本人のアイデンティティとも言える歌舞伎などの芸術を、国際的な視野に立って見られるところも魅力の一つですよね。
僕は、一つのアートワークとか一人のアーティストを主体的に掘り下げて調べていくみたいな機会が増えたと思っています。入学前もそういうことはしていたと言えばしていたんですが、受動的に摂取しているものも多かったです。入学してからは、レポートなどの課題も与えられますし、もっと主体的に情報を集めるようになりました。


出光
印象や思い出に残っている授業などはありますか。
吉本
「原書講読」という授業です。音楽に関することを、英語で書かれた本を通していろいろと読んだんですけれど、それで改めて思ったのは、もし日本語しか使えなかったら、すごく限られたことしか分からないということでした。いまは英語ができれば、YouTubeとかで英語のインタビューなども観ることができます。「原書講読」を通して、英語の音楽用語を知ることができ、自分が見れるコンテンツの幅が広がって感謝しています。
高山
私も吉本君と一緒で、「原書講読」が印象に残っています。高校生の時から英語に苦手意識を持っていて、勉強するとき億劫になることがあったんですけど、自分の好きな芸術の分野で英語を学ぶと、すごく意欲的に、自分から学ぼうって思えるようになりました。それが大学に入って得られたことですね。あと二つ目が、研究会です。比較芸術学科には、研究会という制度があります。1年生の終わりの頃から研究会に入ったことで、先輩方と一緒に鑑賞教室に一緒に行かせていただいたのがすごく記憶に残ってます。
出光
学科には芸術や音楽や古典芸能の研究会があり、それに入ると、無料で美術館に入れたりコンサートを聴きに行けたりしますけれども、そういうところがこの学科の魅力でもありますよね。
1年生の時に受けた、那須先生の音楽の授業が印象に残っています。那須先生は、いわゆる「クラシック音楽」ができるよりもう少し前の時代の西洋の教会音楽を研究しています。それを、歴史的な背景であったりとか、あるいは同時代の美術であったりとか、あるいは音楽の数学的な側面であったりとか、いろいろな側面を整然と論理的に積み上げるように説明されていて。音楽の話を聞いているのか、美術の話を聞いているのか、数学の話を聞いているのかわからない感じがすごく面白くて、一番印象に残っています。
出光
最後に、これからこの学科に入りたいと思う皆様へのメッセージを一言ずつお願いします。
吉本
芸術って難しいかなとか、知識がなきゃいけないのかなと思うかもしれないんですけど、そんなに気張らずにというか、楽しい気持ちで目指してもらえたらいいかなと思ってます。
高山
先生方もとても優しく一から教えてくださるので、好きなものが見つからない人でも、入学して見つけるのでも全然遅くないので、まっさらな気持ちで入学してもいいし、私みたいに好きなことがあって、それを追求したい人にもおすすめできる学科なので、皆さん来てほしいなって思います。
僕も吉本くんと同じで割と軽い気持ちでもいいのかなと思っていて。逆に言うとあまり環境に期待をしすぎずに、ありのままの自分がいまやりたいこと、いま大学で学びたいことに忠実に、学部や学科を選択するのが大事なことかなって思います。
出光
お話ありがとうございました。